第 52 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 21
部位/臓器 女性生殖器 子宮
演題名 子宮体部原発肉腫の一剖検例
出題者および所属
1蘇 牧, 1西川祐司, 1東海林琢男,
1大森泰文, 1吉岡年明, 1渡辺 斉,
1土井優子, 2提嶋眞人, 1榎本克彦
1秋田大学医学部病理学第一講座, 2同付属病院病理部

症例の概要・問題点
症例 62歳,女性
主訴 腹痛
既往歴 特記すべきことなし
現病歴 平成11年10月の婦人科検診では異常はみられなかった。
平成12年1月4日に腹痛が出現し,新生児頭大の骨盤内腫瘤が見出された。
腫瘤は急速に増大し,2月1日の開腹手術時には成人頭大に達し,
腸管を巻き込んでいたため,摘出不能と判断された。
その後腫瘍は急速な増殖を示し,全身状態が悪化した。
5月5日に呼吸循環不全により永眠された。

剖検所見 灰白色,弾性硬の腫瘍が骨盤と腹腔を占拠していた。
腫瘍は子宮頚部を除きほぼ完全に子宮を置換し,
直腸と膀胱に浸潤していたが,後腹膜からは容易に剥離できた。
両肺,肺門リンパ節,甲状腺転移および肝表面,大網播種がみられた。

組織所見 腫瘍は紡錘形細胞の不規則に交錯する束状配列からなり,
広範な類骨および骨形成が認められた。
腫瘍細胞は高度の異型を示し,核分裂像が多数観察された。
また,豊富な好酸性胞体を有する大型細胞が散在していた。
免疫染色では,腫瘍細胞の一部にSMA,HHF-35陽性像がみられたが,desminは陰性であった。


問題点 病理組織診断
最終病理診断 Osteosarcoma of the uterine body.

配布標本 膀胱に接する腫瘍組織 (Au36-00-?)