第 52 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 08
部位/臓器 軟部組織 上肢
演題名 尺骨(骨膜近傍から骨皮質にかけて)の腫瘤病変の一例
出題者および所属
立野紘雄1) 佐藤郁郎1) 村上 亨2)
高橋康明2) 佐藤明弘3)

1) 宮城県立がんセンター 病理
2)      同        整形外科
3) 仙台整形外科病院

症例の概要・問題点
症例 25歳 女性(看護婦)
主訴 疼痛にて腫瘤に気がつく
既往歴 なし
現病歴 平成12年9月25日左前腕の激痛が出現、近医にてX-P上の異常陰影を指摘され、
仙台整形外科病院を受診。
CT, MRIで精査し、尺骨に接する小腫瘤を認め、悪性腫瘍又は化骨性筋炎が疑われた。
疼痛は若干軽快したが、診断を確定するため10月12日開放生検を施行。
東京の某検査センターに病理組織検査を依頼したところparostealosteosarcomaと診断された。
悪性腫瘤としては生検直前のX-Pで異常陰影の縮小が見られた点が不可解として、
当センターに紹介となった。

画像所見 尺骨近傍の石灰化腫瘤
血液生化学検査 特に異常なし

問題点 病理組織診断
最終病理診断 Tumoral calcinosis.(active phase) (calcospherite variant)

配付標本 ホルマリン浸染の生検組織の約半分(10×5×5mmの棒状の検体)が残っていたことから、
これを2個の横断面としたものが配付標本である。基本的には東京の検査センターの作成した
HE組織標本と同様の所見であった。