第 52 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 07
部位/臓器 軟部組織 上肢
演題名 前腕部筋肉内腫瘤の例
出題者および所属
山形大学第二病理学教室
出張玲子、土屋登嗣、本山悌一

症例の概要・問題点
症例 82歳、男性
既往歴 22歳・虫垂炎手術、70歳・右鼠径ヘルニア手術
現病歴 妻を車椅子からベッド上に移動させた際、右の手首および前腕部下方に違和感を感じ、
その日より右前腕部に腫脹が生じ、力を入れると痛むようになった。
3日後に近医を受診したとき、右腕撓骨筋近位に約5cmの範囲で腫脹と圧痛が認められた。
次第に同部位は硬くなり、発症より1週間で2cm大の弾性硬な腫瘤となった。
MRIで軟部腫瘍が否定できなかったため、発症13日目に腕撓骨筋の一部とともに腫瘤の切除術が行われた。

肉眼所見 径約2cmの境界不明瞭な筋肉内腫瘤で、割面は黄白色から灰白色を呈し筋状に見えた。

問題点 1. 病理診断
2. 初め誤った診断をして叱られましたが、鑑別すべき疾患を経験された方はおられますか?

最終病理診断 Proliferative myositis.

配布標本 切除標本