第 52 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 04
部位/臓器 鼻腔,副鼻腔,鼻咽頭,喉頭  副鼻腔
演題名 顎下部に転移した副鼻腔腫瘍の一例
出題者および所属
鎌田義正1、北澤淳一2
土岐栄喜3、工藤 一1
1 弘前大学医学部附属病院病理部
2 弘前大学医学部小児科、3 耳鼻咽喉科

症例の概要・問題点
症例 15歳、女性
主訴 右顎下部腫瘤
既往歴 6歳時、無菌性髄膜炎、伝染性単核症;9歳時、急性耳下腺炎
現病歴 平成12年9月17日、右顎下部腫瘤に気付き某病院を受診した。
悪性疾患が疑われ、10月4日当院小児科を紹介された。
CT検査にて右副鼻腔にも病変を認めたため当院耳鼻咽喉科に転科。
11月6日、確定診断を目的に右顎下部腫瘍摘出術と右篩骨洞開放術を施行された。
現在当院小児科に入院中で、化学療法(VAC療法)と放射線治療(ライナック)を受けている。

現症 触診上、右顎下部に70x30mmの弾性硬、表面平滑で可動良好な腫瘤を認める以外、
身体所見、血液生化学所見、胸部単純X線写真、心電図に異常を認めない。
頭頚部MRI検査にて、右顎下部に境界明瞭な腫瘤を認め、
T2強調画像、Gd造影にてモザイク状に造影された。
更に右傍咽頭腔の腫瘍と、右篩骨洞から右前頭洞内を充満する軟組織も指摘され、
いずれも右顎下部と同じように造影された。

肉眼所見 摘出された右顎下部腫瘍は7個の融合したリンパ節と考えられ、
充実性腫瘍の割面で、灰白色、弾性やや硬であった。
鼻内視鏡的に右副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、自然孔)から生検された数個の小組織片は、
帯赤灰白色、弾性軟であった。


問題点 病理組織診断
最終病理診断 Rhabdomyosarcoma, alveolar type.

配布標本 右顎下部腫瘍と右副鼻腔小組織片