第 52 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 02
部位/臓器 神経系,下垂体,松果体 中枢神経系
演題名 右前頭葉腫瘍の1例
出題者および所属
鈴木博義1,手塚文明1,高橋 昇2
上之原広司2,鈴木晋介2,栗原紀子3
1. 国立仙台病院 臨床検査科
2. 同 脳神経外科
3. 同 放射線科

症例の概要・問題点
症例 27歳,男性
家族歴 既往歴:特記すべきものなし
現病歴 入院約1ヶ月前より左上肢の脱力,左肩の痙撃出現.
その1週間後から左下肢の脱力も出現した.
左半身の脱カは更に進行し,歩行障害をきたしたため脳神経外科に入院した.
MRI所見では右前頭葉運動野付近の脳実質に食い込むような形で腫瘤画が認められた.
腫瘤は脳実質とは境界明瞭で分葉状であった.脳表では硬膜と接していた.
腫瘍部の頭蓋骨は対側に比して薄くなっていた.
脳実質から発生した腫瘍なのか頭蓋内ではあるが脳実質外の腫瘍か画像診断上判断が
難しい病変であったが,「髄膜腫疑い」として腫瘍 の摘出術が施行された.
術中所見では腫瘍は自色で顕著な分葉を示しており,あたかもニンニクのような様相を呈していた.
脳実質との剥離は容易で腫瘍は完全に摘出できた.脳硬膜には接していた が強固な癒着はなかった。
摘出腫瘍の肉眼的所見は分葉状の腫瘍で,透明感のある白色調で弾性のあるやや柔らかい印象があった.
割面は均一でmyxoidな腫瘤であった.


問題点 病理組織学的診断
最終病理診断 Fibromyxoid tumor.
(*) Primitive mesenchymal tumor, benign or borderline malignancy,
or myxoma.