第 52 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
ワークショップ 03
部位/臓器 乳腺
演題名 多彩な組織像を示す乳管内腫瘤の1例
出題者および所属
石原法子、遠藤泰志(済生会新潟第二病院病理科)
症例の概要・問題点
症例 54歳、女性
家族歴・既往歴 特記事項なし。
現病歴 平成10年1月、右乳頭分泌物を主訴に当院外科に来院した。
画像検査 MMGでは、右D領域に不整型石灰化があり、ところどころ小結節状densityを認
めた。超音波検査では右D領域に広汎な乳管拡張と乳管内に直径約3mmまでの多発乳
管内腫瘤を認めた。

細胞診 乳頭分泌物細胞診では少数の泡沫細胞のみでクラス?であった。なお手術時標本
から当科で採取した穿刺細胞診診断はクラス?(非浸潤性乳管癌疑い)であった。

経過 平成10年2月に乳管切除術が施行された。平成12年8月の経過観察時、触診や画像
検査では同部に異常はみられなかった。

病理所見 乳頭から1cmの部位から切除標本の末梢 (6cmの部位)にいたるまで、乳管内
に最大径3mmまでの乳管内腫瘤がみられた。


問題点 全体が非浸潤性乳管癌でよいか。
最終病理診断 Non-invasive ductal carcinoma + extensive ADH.

配布標本 No1、No2 (乳頭から3.5cm、4cm部)