第 53 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 18
部位/臓器
演題名 肝腫瘍の一例
出題者および所属
上杉憲幸、菅井 有、鈴木正通、焦 宇飛、中村眞一
岩手医科大学 中央臨床検査部臨床病理部門

症例の概要・問題点
症例 72歳女性
主訴 易疲労感
既往歴 糖尿病にて加療中
家族歴 特記すべき事項なし
現病歴 平成11年より糖尿病にて近医通院加療中であった。
平成12年8月頃より易疲労感を自覚する様になり、
精査を受けた。超音波検査にて肝右葉に結節性病変を指摘され、
八戸赤十字病院第一内科に精査目的で紹介・入院となった。
画像上肝細胞癌が疑われたため、岩手医科大学第一外科に手術目的で
紹介・入院となり、平成12年10月肝区域切除を施行された。

血液検査所見(入院時) GOT 34IU/l, GPT 24IU/l, LDH 266IU/l, γGPT 49IU/l,
ALP 216 IU/l, T-Bil 0.7mg/dl, TP 7.3g/dl, Alb 4.53g/dl,
A/G 1.64, TC 2-6mg/dl,TG 172mg/dl, AFP 3.5ng/ml, PIVKA-? 19mAU/ml,
HbsAg(-), HCV Ab(第二世代)(-), AMA10倍未満

肉眼所見 明らかな肝硬変を伴わない肝に、大きさ22x14mmの被膜形成を伴わず、
周囲との境界不明瞭な単結節性病変を認めた。
内部は不均一で黄色調の部分を伴っていたが、
出血や壊死は認めなかった。


本症例の問題点 (1) 腫瘍の病理組織診断、(2) 背景の肝組織との関係
最終病理診断 Hepatocellular carcinoma associated with liver cirrhosis.

配布標本 腫瘍の最大割面の部分