第 53 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 05
部位/臓器 消化管 大腸
演題名 横行結腸穿孔をきたした大腸アニサキス症と思われる1例
出題者および所属
大藤高志1,遠藤清次2
安原やよい2,菊池秀2
1 前国立郡山病院研究検査科 2 国立郡山病院外科
症例の概要・問題点
症例 62歳、女性
既往歴 高血圧で他院通院中。平成11年頃から上腹部に膨隆があった。

現病歴 平成12年9月24日昼食後から右下腹部に周期性に鈍痛があり、
他院を受診し上腹部の腹壁ヘルニアとして外科に紹介された。CT
では、上腹部の圧痛を伴う膨隆は大網を内容とする腹壁ヘルニア
と考えられたので、絶食と輪液で経過観察した。9月25日腹痛が
強まり発熱したので、腹壁ヘルニア嵌頓を考え緊急手術を行った
が、結局は横行結腸部分切除と人工肛門造設が必要であった。平
成13年5月21日に人工肛門閉鎖術を行った。

手術時所見 ヘルニア内容の大網を腹腔内に戻しヘルニア門を閉鎖しよう
としたとき、悪臭のある膿性腹水があふれ出てきたので大き
く開腹し検索したところ、横行結腸中央辺に長径約1cm大の
穿孔が認められその周辺に膿瘍が形成されていた。

生鮮魚介類の生食 9月17日から19日まで里の稲刈りを手伝いマグロの
刺身など生食した.


問題点 横行結腸穿孔の原因
最終病理診断 結腸憩室炎の可能性

配布標本 横行結腸穿孔部の一部