第 68 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 19 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器 口腔 咽頭
演題名 口唇腫瘤
出題者および所属
小林 孝憲1),丸山 智2),程 君2)
船山 昭典3),齊藤 力3),朔 敬1,2)
1) 新潟大学医歯学総合病院 歯科病理検査室
2) 同 大学院医歯学総合研究科 口腔病理学分野
3) 同 口腔再建外科学分野
症例の概要・問題点
症例
現病歴 1歳11か月時(1976年)に左側上唇の腫脹に気づかれたが放置されていた.
7歳時(1982年)に某病院形成外科にて腫瘍切除術を施行されたが,診断名は告げられなかったという.
術後1か月で腫脹が再燃したが,緩慢な増大であったため加療は受けなかった.
2008年には腫脹は無痛性ながら母指等大に達し,かかりつけ歯科医より口腔外科の受診を強く勧められ,
同年9月紹介されて当院口腔外科を受診,画像的には著明な血管拡張像が指摘されて血管奇形または
血管腫が疑われた.11月に減量目的に腫瘍切除術を施行された.
肉眼所見 長径20mm,深さ10mmのわずかにドーム状に膨隆した口唇の部分切除物で,粘膜表面は透明感のある
灰白色を呈しており,一部では出血斑がみられた.
粘膜下から深部切除断端までは淡褐色・褐色のやや弾性軟の組織が広がり,割面では,浮腫状の
線維性組織内に大小の管腔状構造が散在してスポンジ状を呈していた.
最深部では,線維組織は筋組織とびまん性に移行していた.
配布標本 摘出物の中央部割面の組織標本1枚

問題点 病理組織診断
最終病理診断 Diffuse neurofibroma