第 68 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 16 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器
演題名 腹腔内破裂を来した肝腫瘍の1剖検例
出題者および所属
星野 真喜子,長谷川 剛,内藤 眞
新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子細胞病理学分野
症例の概要・問題点
症例 35歳 女性
既往歴 平成17年2月,腸重積で回盲部切除.
現病歴 平成20年9月下旬からの右季肋部痛,背部痛を訴えて受診.現症に異常なし.
CRP6.05以外に血液生化学データ上の異常値なし.
同日にCTを施行し,多発性肝腫瘍を認め,転移性肝癌が疑われた.
腫瘍マーカー(CEA, CA19-9, CA125, AFP)には,異常値なし.
大腸内視鏡で原発巣と考えられる腫瘍は認められなかったが,痛みの増強および嘔吐があり入院.
翌朝の2回目の回診時に,心肺停止状態で発見.一旦は心拍再開もみられたが,死亡した.
剖検所見 肝両葉に多発腫瘍を認め,右葉漿膜面に接する最大径の腫瘍の出血・破裂を認め,
腹腔内に約1700mlの出血が認められた.
剖検摘出臓器に原発巣は明らかでなく,外表観察上も異常は認められなかった.

問題点 肝腫瘍の病理組織診断
最終病理診断 Malignant peripheral nerve sheath tumor (MPNST), epithelioid type.