第 68 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 15 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 甲状腺
演題名 甲状腺腫瘍の1例
出題者および所属
赤坂 治枝1,2),神 寛之1,2),大橋 大成1,2)
工藤 康之1,3),原 精一1),4),佐藤 冬樹1)
楠美 智巳1),鬼島 宏1)
1) 弘前大学医学研究科 病理生命科学講座
2) 同 消化器・乳腺・甲状腺外科学講座
3) 同 消化器血液内科学講座
4) 東邦大学医療センター大森病院消化器内科
症例の概要・問題点
症例 34歳 女性
臨床経過 上気道炎にて受診した近医で甲状腺腫大を指摘された.
CTにて甲状腺腫瘍を認め,採血でカルシトニン,CEAの上昇を認めた.
穿刺吸引細胞診にてClass V,medullary carcinomaと診断され,甲状腺全摘術が施行された.
術前の各種検査にてmultiple endocrine neoplasia (MEN) 2Aは否定的であり,家族歴にもMEN2Aや
髄様癌は認めないことより,散発性の甲状腺髄様癌と考えられた.
病理所見 腫瘍細胞は比較的均一な大型類円型核を有し,細胞質は顆粒状で多角形,紡錘形の形態を示していた.
主に索状,シート状構造を呈していたが,コロイドを有する濾胞状構造も混在していた.
免疫組織化学的に腫瘍細胞は,充実性,濾胞状のどちらの領域でも,calcitonin,CEA,
chromogranin Aに陽性であり,一方thyroglobulinにも陽性であった.
配布標本 手術摘出標本

問題点 病理診断
最終病理診断 Mixed medullary and follicular carcinoma