第 68 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 04 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器 神経系,下垂体,松果体 中枢神経系
演題名 臨床的に悪性腫瘍が疑われた大脳病変の1例
出題者および所属
工藤 和洋1),下山 則彦1),丹羽 潤2)
川崎 いくみ3)
1) 市立函館病院 中央検査部 臨床病理科
2) 同 脳神経外科
3) 同 神経内科
症例の概要・問題点
症例 50代 男性
既往歴 涙のう腫脹(1年前よりプレドニン1T,ダーゼン1Tを服用中)
現病歴 夏休みが終わり(小学校の教員),職場に復帰した際に物忘れが目立つようになった.
運転も怖くなったとの事.9月5日Aメンタルヘルス科受診し脳腫瘍が疑われたため,
9月8日B脳神経外科を紹介された.
MRIで右前頭葉と側頭葉に腫瘤様所見を認めたため当院を紹介.
9月18日,手術目的で当院脳神経外科入院となった.初診時はJCS2(見当識障害がある),
運動系に左右差なく,MMSE(認知機能検査)15点(認知障害がある可能性が高い)であった.
手術所見 右前頭開頭にて,病変の一部をen blocに摘出.
術後経過 術後MRI高信号域,造影でエンハンスされる部分が左前頭葉に進展.
臨床経過,画像所見からは悪性疾患が疑われた.
配布標本 摘出された右前頭葉.MRIでは正常脳細胞に腫瘍細胞が混在するgliomatosis cerebriの
状態と予想されていた.

問題点 病理組織診断
最終病理診断 Multiple sclerosis (Marburg type)