第 67 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
17 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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加藤 哲子1),山本 隆2),木村 青史3),本山 悌一1)
1) 山形大学医学部病理部
2) 同 消化器・一般外科
3) 同 手術部 |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
26歳,女性 |
既往歴 |
特記すべきことなし |
現病歴 |
2007年1月,スキーで転んだ後,左乳房の腫瘤に気づいた.
消退しないため,同5月,外科受診.左乳房の大部分を占める8x8cm大の腫瘤が認められた.
その後も病変はさらに拡大したため,8月に左乳房切除術およびリンパ節郭清が行なわれた.
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問題点 |
悪性度 |
最終病理診断 |
Low-grade angiosarcoma of the breast
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演者診断 |
Low-grade angiosarcoma of the breast |
コメント |
乳腺のlow-grade angiosarcomaはhemangiomaとの組織学的鑑別が非常に困難である.特に生検では,本例でもそうであったようにunderdiagnosisされている例が1/3を超える.組織学的に吻合パターン等はangiosarcomaでより見られやすい傾向はあるものの,現時点で両者を区別する一番の決め手は腫瘍の大きさで,2cmを超えるものはまず悪性と考えて対処する必要がある. |
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画像1
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画像2
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針生検の組織像.赤血球をいれる小さな血管が密に増生しているが異型ははっきりしない.Hemangiomaと診断した. |
切除検体のマクロ像.チョコレート色の病変が乳腺内に広範に(>8cm)広がり,皮膚へも進展している. |
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画像3
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切除検体の組織像.吻合パターン(a)や小葉単位への侵入(b)が見られるが,細胞異型はやはりはっきりしない. |
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