第 67 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
13 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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工藤 和洋1),下山 則彦1),丹羽 潤2)
1) 市立函館病院 中央検査部臨床病理科
2) 同 脳神経外科
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症例の概要・問題点 |
症例 |
70代, 女性 |
既往歴 |
C型慢性肝炎,高血圧,胃潰瘍 |
経過 |
某年4月より無気力となり,異常行動が認められ,前医を受診した.CT,MRIで左前頭葉から左鼻腔に連続する約6cmの腫瘍が認められた.画像上はolfactory neuroblastomaが疑われた.前医耳鼻科で経鼻的に生検.上衣腫と診断された.治療目的に当院脳神経外科に転科となり,同年5月下旬開頭摘出術を施行.腫瘍は易出血性であった.頭蓋内腫瘍の大部分を摘出した.その後,腫瘍の再増大に伴い意識レベルが低下し,8月下旬(術後85日日)死亡した. |
配布標本 |
摘出された脳腫瘍 |
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問題点 |
病理組織診断 |
最終病理診断 |
Olfactory neuroepithelioma |
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演者診断 |
Olfactory neuroepithelioma |
コメント |
弱拡大では細胞密度の高い部分と低い部分が認められる(図1). 細胞密度の高い部分では,は明瞭な腺管構造が認められ,内部には粘液が認められた.また,N/C比が高め,類円形から円形の小型異型細胞が充実性に増生していた(図2).それらの細胞には突起が見られ神経への分化を考えた.免疫染色では両者とも上皮マーカー陽性(AE1/3, BerEP4 (図3)),神経系マーカー(NCAM/CD56(図4), synaptophysin, chromogranin A, S-100)陽性で olfactory neuroepithelioma と診断した. |
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画像1
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画像2
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HE弱拡大像 |
HE強拡大像 |
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画像3
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画像4
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免疫染色 Ber-EP4 |
免疫染色 NCAM/CD56 |
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