第 67 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 11 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器名 心 血管系 心
演題名 感染性心内膜炎の1例
出題者および所属
江村 巌1), 薄田 浩幸2)
1) 長岡赤十字病院 病理部
2) 同 医療技術部
症例の概要・問題点
症例 59才 男性 運転手.
家族歴・既往歴 特記すべきことなし.
現病歴 2008年1月頃両下肢に浮腫が出現し,体重は減少.2月から歩行が不自由になり,28日夜,救急搬送された.
現症 体温36度台,血圧120/80mmHg.心収縮期雑音,下腿と手背の浮腫.軽度の見当識障害と構音障害を認めたが,他に神経学的異常所見なし.
検査 Hb:WBC:10800, Plt:13.8万, CRP:4.57, BUN:79,Cre:1.92, PT活性:77 %, APTT:38.5 秒, フィブリノーゲン:271, FDP:21.4, D-ダイマー:9.1.
髄液:細胞数:79/3(単 48, 多31), 蛋白:143 mg/dl, 糖:42 mg/dl.
培養陰性.
BGA:pH:7.45, pC02:32.9, pO2:70.8, HCO3-:3.4, Lac:6.
心電図 洞性頻脈.
血液培養 streptococcus mutansが検出された.
心エコー 僧帽弁に10mmx18mmの疣贅
経過 3月1日から抗生剤の点滴を開始したが,同日夜から全身に点状出血を認めた.3日には,頭部CTで3.6cmx2.7cm大の左小脳出血を認め,夜に呼吸停止,心停止を確認した.
剖検時,僧帽弁にはグラム陽性球菌感染を伴う疣贅があり,弁は破壊されていた.右心房から採取された末梢血中には多数のScavenger receptor A陽性マクロファージ(矢印)を認めた(写真).
配布標本: 心,肺

問題点 1. 心,肺に観察される微小膿瘍以外の病理所見は?
2. 心,肺の所見と末梢血中のScavenger receptor A陽性マクロファージの関係は?
最終病理診断