第 67 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
|
東海林 琢男1), 大内 真吾2), 満永 義乃2),
大久保 正2), 小野 巌1)
1) 中通総合病院 病理部
2) 同 心臓血管外科
|
|
症例の概要・問題点 |
症例 |
71歳 女性 |
既往歴 |
特記すべきことなし. |
現病歴 |
14日前に右下肢急性動脈閉塞に対して血栓除去術が行われた.血栓の原因検索にCTを行ったところ下行大動脈内に腫瘤が認められ,腫瘤と周囲の下行大動脈が切除された. |
肉眼所見 |
下行大動脈の内腔に腫瘤(約7cmx2.5cmx2cm)が認められた.腫瘤と大動脈壁に連続性が確認された.腫瘤は軟らかく,脆弱で,灰白色と茶褐色の混成を呈していた. |
配布標本 |
腫瘤の一部 |
|
|
問題点 |
病理組織診断 |
最終病理診断 |
Aortic intimal sarcoma
|
|
|
演者診断 |
Aortic intimal sarcoma |
コメント |
大動脈から発生する肉腫を病変の局在によって分類する考え方が主流である.その理由としてAFIPに「肉腫の局在が内膜に在る例と壁内に在る例とでは臨床所見と予後が異なる.故に我々は肉腫の局在によって分類するのが良いと思う.」と記されている.本症例は肉腫の主座が内膜に在り,intimal sarcomaと診断される.免疫染色で,ごくごく一部に筋への分化が認められたが,大部分には特定の細胞への分化は確認されなかった. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
画像1
|
画像2
|
|
|
腫瘍の局在は内膜に在る |
粘液腫様基質を伴う腫瘍で,著明な壊死が観察される. |
|
画像3
|
|
|
|
腫瘍細胞の核の多形性は高度である.腫瘍細胞同士に上皮性の結合は認められない. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|