第 67 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
07 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
演題名 |
子宮頚癌術後5年目に発見された膵腫瘍と腎腫瘍 |
出題者および所属 |
|
長沼 廣1), 渋谷 里絵1), 岡村 智佳子2), 五十嵐 司2),
安井 知春2), 渡辺 正2), 渡辺 孝紀2), 境 吉孝3),
本山 悌一4)
1) 仙台市立病院 病理科
2) 同 産婦人科
3) 同 消化器科
4) 山形大学医学部 人体病理病態学講座
|
|
症例の概要・問題点 |
症例 |
43歳 女性 2妊2産 |
主訴 |
膵腫瘍 |
既往歴 |
11歳時虫垂炎 |
家族歴 |
特記すべきことなし |
現病歴 |
5年前に不正出血にて産婦人科受診.子宮頚癌の診断にて子宮全摘,リンパ節廓清術を施行された.術前にもSCCその他の腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.術後1年目に局所再発を来たし,照射施行.その後,2回癒着性イレウスで手術施行された.術後定期的に経過観察されていたが,本年6月にスクリーニング目的で施行されたCT, MRIにて膵腫瘍および腎腫瘍を指摘された.精査の結果,原発性膵腫瘍・腎転移あるいは子宮頚癌の膵・腎転移の鑑別が難しく,膵体部及び腎摘出術が施行された. |
提出標本 |
子宮頚部および膵腫瘍 |
|
|
問題点 |
1) 膵腫瘍は原発か転移か?
2) 原発,転移の鑑別方法
|
最終病理診断 |
子宮頚癌(非角化型扁平上皮癌)の膵・腎転移 |
|
|
最終診断 |
子宮頚癌(非角化型扁平上皮癌)の膵・腎転移 |
コメント |
臨床経過,組織学的所見から子宮頚癌の膵・腎転移で問題ないが,子宮頚癌が膵や腎へ転移することは非常で稀である.子宮頚部,膵,腎の3腫瘍が同一であることを免疫染色のほかに遺伝子検索で証明した.すなわち,マイクロサテライトマーカーを用いたLOH分析,p53突然変異分析,MPV-DNAの検出とタイピングを行った.その結果,3腫瘍において1個のLOHを認め,p53のExon5, 6, 7, 8にいずれも変異なく,16型のHPV-DNAをいずれにも検出された.以上から3種類の腫瘍は単一クローンとして問題ないことが判明した.現在,婦人科にてTP療法を行い,経過順調である. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
画像1
|
画像2
|
|
|
子宮頚癌,非角化型扁平上皮癌 |
子宮頚癌 強拡大 |
|
画像3
|
画像4
|
|
|
膵腫瘍 膵内に非角化型扁平上皮癌の浸潤を見る. |
腎腫瘍 腎内に非角化型扁平上皮癌の浸潤を見る. |
|
|
|
|
|
|
|
|