第 67 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題名 |
診療標榜科としての病理診断科 その期待と課題,病理学会の取り組み |
出題者および所属 |
|
日本病理学会 理事長 長村 義之 |
|
症例の概要・問題点 |
|
ご存知のように,本年4月1日より病理診断科が診療標榜科となり診療報酬も「第3部検体検査」から「第13部病理診断」の創設となりました.保険医療機関においても,院内外に診療標榜科として掲示され診療内容の一部であることを表すと同時に,患者さんにも病理医が見える存在になったことを意味するものと思います.その際に診療面ではより質の高いものを求められることになり責任の重さを感じています.また,患者さんが病理診断科に来られることも念頭に入れる必要があり,各医療機関としてどのように対応するかの議論が重要です.4月1日から現に患者さんが医療費を支払われる際の領収書に“病理診断”の項目があり,患者さんは病理診断にかかわる医療費の3分の1を負担されていることも明らかになります.それに伴って我々には速く精度の高い的確な診断が要求され,その内容も常に医学的に新しい情報に基づいた最適なものである必要があります. 日本病理学会としても,この点に鑑み全国レベルの精度管理,コンサルテーションなどに更に力を入れてゆく必要性を感じています.
診療報酬に関しては,第13部の創設とともに,ホスピタルフィー,ドクターズフィーの考え方を基に,標本作製料,病理診断料になりました.保険点数に関しては,次回の改定への課題として病理学会としても充分に審議を尽くしてゆきたいと考えています.また,病理専門医の個人での開業・保険診療,我が国で多くの病理検体を取り扱っている衛生検査所のあり方など,病理診断体制は今後大きな課題と考えています.この点は,国民のより良い医療を目指すのはもとより,多くの若い研修医,学生諸君が病理学に興味を持つことも視野に入れて,考えてゆきたいと思います.そのために,病理学会は,企画委員会,診断体制専門委員会,社会保険委員会などの活動を通して積極的にアピールして行く所存です.宜しくご協力の程お願い致します.
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|