第 66 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース | |||||||||||||||||||||||
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症例の概要・問題点 | |||||||||||||||||||||||
症例 | 76歳,女性 |
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主訴 | 肉眼的血尿 |
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現病歴 | 肉眼的血尿を自覚したため,近医を受診した.腹部超音波検査を行ったところ,膀胱内に突出する腫瘍を認めたため,精査が行われた.末梢血および生化学検査では,検査値は正常範囲内であった.また,腫瘍マーカー(CEA,AFP,CA19-9)も正常範囲内であった.CTスキャンでは,膀胱前壁に大きさ約5cmの腫瘍が認められた.経尿道的膀胱腫瘍切除術が行われた後,膀胱尿道全摘術および両側尿管皮膚瘻術が行われた. 腫瘍は大きさが4.0x6.5cmで,膀胱前壁に認められた.割面では境界不明瞭な多結節性腫瘍で,灰白色を示していた.腫瘍は肉眼的に膀胱周囲脂肪組織に浸潤してみられた.左側壁には,大きさが5mm大の乳頭状の腫瘍が認められ,組織学的には,粘膜固有層に浸潤する尿路上皮癌(Grade 3)であった.乳頭状腫瘍と,前壁の腫瘍との連続性は組織学的に明らかではなかった.切除後は,補助化学療法や放射線療法は行われず,経過観察となった.切除4ヵ月後に,骨盤内再発のため死亡された.病理解剖は行われなかった. |
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配布標本 | 膀胱腫瘍 |
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免疫染色結果 | Cytokeratin(AE1/AE3)(-), CAM5.2(-), High molecular weight cytokeratin(CK34βE12)(-), Chromogranin A(+), Synaptophysin(+), CD56(+), CD99(+), α-smooth muscle actin(-), Desmin(+), Myogenin(+), CD117(-), CD34(-). |
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問題点 | 病理組織診断 |
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最終病理診断 | 膀胱原発小細胞癌 |
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