第 66 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
09 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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1) いわき市立総合磐城共立病院・歯科口腔外科,2) 同 病理科
佐藤 浩子1),浅野 重之2)
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症例の概要・問題点 |
症例 |
38歳,女性,軽度肥満
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既往歴 |
特記すべき事項なし
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現病歴 |
平成18年4月25日から扁桃腫脹を自覚し,28日から体調が悪化,29日に近医耳鼻科を受診し抗菌薬を静脈内投与された.5月1日から呼吸時の前胸部痛と咽頭痛が強くなり仰臥位をとれなくなった.6日21:30に入浴した後,22:09に寝室の座椅子にて無呼吸状態で倒れているところを夫に発見された.救急蘇生を施行したが奏効せず,5月6日23:23,来院45分後に死亡判定された.
画像所見では胸部レントゲンにおいて外側胸壁に沿って濃度上昇域を認めた.頚部・胸部CTにおいて気管の左方偏位や,頚部皮下から縦隔にかけての気腫像を認め,また胸郭には液面形成を伴う境界明瞭な濃度上昇域が多発していた.細菌検査では血液,胸水ともにStreptococcus属などの細菌が検出された.
病理解剖では,胸腺前面や肺に大量に付着したチーズ状膿瘍や,膿性胸水や心嚢液貯留が認められ,胸郭のあらゆる面に壊死物質が付着していた.喉頭披裂部は著明な浮腫を呈し,咽頭部2箇所に瘻孔を認め,交通していた.
病理所見では,2つの瘻孔において炎症細胞浸潤像や壊死組織が認められ,また重層扁平上皮は一方の瘻孔で失われ,もう一方の瘻孔(A)では存在していた.舌骨下筋と甲状腺の間の組織は広く感染巣となっていた.
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配布標本 |
(A) 瘻孔
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問題点 |
1. 2つの瘻孔の存在について
2. 死因について
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最終病理診断 |
梨状窩瘻に由来する両側膿胸
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