第 66 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 25 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 気管,肺,胸膜 肺
演題名 約10年の間隔で出現を繰り返した胸膜下肺腫瘍の一例
出題者および所属
秋田大学医学部 病理病態医学講座,秋田赤十字病院 病理部

西川 祐司,大森 泰文,吉岡 年明,吉田 正行,西村 拓哉,土井 優子,斎藤 謙,榎本 克彦
症例の概要・問題点
症例 75歳,女性.
22年前(53歳)に集団検診で胸部X線写真上の異常陰影を指摘され,右上葉末梢域(S2)から広基性に突出する胸膜 下腫瘍(5x5x2cm)が周囲肺とともに切除された(病理診断:血管周皮腫または類上皮性平滑筋腫疑い;TNPC[1985年2月17日,於仙台]でのアンケート集計では限局性中皮腫の診断が半数近くを占めた).また,13年前(62歳)に右S2, S6部に突出する胸膜下球状腫瘍(4x4x3cm)が見出され,切除された(病理診断:血管周皮膜).
3年前(72歳)に行われたfollow up の胸部X線写真で,左肺底部(S10)にcoin lesionが指摘された.2年前のCTで,左肺底部腫瘤は30x26mmの境界明瞭な陰影として認められた.この時点で手術を勧めたが同意が得られず,経過観察となった.しかし,5か月前のCTで腫瘤が42x36mmと明らかに増大していたため,左下葉部分切除が行われた.胸膜に覆われた境界明瞭,弾性硬の腫瘍で,割面は白色調であった.

配布標本 左肺底部腫瘍および周囲の肺組織


問題点 病理組織診断および悪性度

最終病理診断 Solitary fibrous tumor.