第 66 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 04 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器
演題名 腎芽腫治療後に発生した肝腫瘤の一例
出題者および所属
宮城県立こども病院 臨床病理科1),外科2),放射線科3),血液腫瘍科4)
武山 淳二1), 佐藤 智行2),安藤 亮2), 仁尾 正記2)
島貫 義久3),佐藤 篤4),今泉 益栄4)
症例の概要・問題点
症例 8歳,男児.

生後6ヶ月時に腎芽腫(stage H)の診断にて左腎摘出,化学療法を施行された.
その経過中にveno-occlusive disease を併発したが対症療法で軽快した.
1歳6ヶ月時に腹膜に再発し,病変摘出,化学療法,及び自己末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法を施行された.
その後は再発なく経過観察されていたが,今回CTにて肝に径約2cmの結節状病変が発見された.過去の画像を見直してみると,2年前のCTで,enhanced CTでようやく検出できる径数ミリの病変が認められた.
画像上ではfocal nodular hyperplasiaが最も考えられ,その後さらに半年間経過観察されたが,若干の増大傾向を認めたため,今回手術で摘出した.

配布した標本 その代表的割面である.

問題点 1)病理組織診断はfocal nodular hyperplasiaでよいか.
2)この病変の病因について.

最終病理診断 FNH like nodule with angioma like lesion.