第 65 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
14 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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いわき市立総合磐城共立病院 外科1),消化器内科2),病理科3)
高舘 達之(研修医)1),橋本 明彦1),阿部 道夫1)
新谷 史明1),大楽 尚弘2),浅野 重之3)
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症例の概要・問題点 |
症例 |
74歳 男性 |
主 訴 |
腹痛,排便困難,腹部膨満 |
家族歴・既往歴 |
特記すべきことなし |
現 病 歴 |
2005年11月,近医で大腸内視鏡検査を受けた際に,直腸に散在性多発性の発赤を認め,非特異性腸炎と診断された.同年12月上記の主訴にて当院消化器内科を受診した.
受診時体温 37.1度,腹部は全体に膨満していたが柔らかく,下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知した.CTでは直腸からS状結腸にかけて著明な腸間膜の肥厚と脂肪織濃度の上昇があり,大腸内視鏡では同部の結腸は浮腫性に肥厚し,内腔には狭小化がみられた.注腸検査では同部結腸の壁の伸展不良と,辺縁に不整な鋸歯像を伴い全周性の狭窄を認めた.内科的治療ではこれら症状が改善せず,鎮痛剤使用が頻回であったために手術を目的として外科紹介され,2006年1月腹会陰式直腸切断術を施行された.
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肉眼所見 |
切除標本ではS状結腸から直腸まで腸間膜は連続性に硬化,肥厚しており,内腔には狭小化がみられた.粘膜は浮腫性に肥厚していたが,びらんや潰瘍などはなかった.
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病理組織所見 |
粘膜下層の浮腫性肥厚,腸間膜の出血,著しい脂肪組織の増生と隔壁の線維化や炎症細胞浸潤を認めた. |
配布標本 |
直腸 |
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問 題 点 |
病理組織診断 |
最終病理診断 |
Mesenteric panniculitis
フロアよりmesenteric veno-occlusive diseaseではないかという意見あり.演者はこれを二次的と判断したとのこと. |
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