第 65 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
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東北大学病院 病理部1),東北公済病院 産婦人科2)
藤島 史喜1),渡辺 みか1),田野口 孝二2)
苅谷 嘉之1),石田 和之1)
森谷 卓也1),笹野 公伸1)
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症例の概要・問題点 |
症例 |
36歳 女性 |
主 訴 |
月経痛 |
既 往 歴 |
子宮内膜症に対しナサ二ール(性腺刺激ホルモン放出ホルモンの誘導体:GnRH薬)を使用
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妊 産 |
4妊4産 |
現 病 歴 |
3-4年前より,近医にて子宮筋腫を指摘されていたが,増大傾向を認めたため東北公済病院を紹介受診.巨大子宮筋腫の臨床診断にて子宮全摘術を施行.
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肉眼所見 |
腫瘍は19cmx16cm×10cm大で,子宮内腔ヘポリープ状に突出するように認められた.
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配布標本 |
子宮体部腫瘍 |
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問 題 点 |
病理組織診断
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最終病理診断 |
Angiomyolipoma(HMB45(-))
大きなlipoleiomyomaとの意見もあり.
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コメント |
組織学的に血管が豊富な腫瘍であり,平滑筋マーカー陽性の紡錘形・多稜形の細胞が血管周囲を取り巻くように増殖し,上皮様の様相を呈する箇所や,淡明な胞体を有する細胞が充実性に増殖する箇所が認められた.また腫瘍内には脂肪細胞が所々に集簇して存在していた.血管成分,筋成分,脂肪成分が認められたことよりangiomyolipoma(AML)と診断した.AMLは一般的にHMB45が陽性とされているが,HMB45陰性例の報告も散見され,本症例も陰性であった.またAMLはPEComa familyに含まれているが,PEComaとするためにはHMB45が陽性であることが必要と考えられ,HMB45が陰性であった本症例はPEComaとはせず,AMLと診断した. |
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