第 64 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 22 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 乳腺
演題名 乳腺腫瘍の一例
出題者および所属
田村 元,笹生 俊一
山形県立中央病院中央検査部病理
症例の概要・問題点
症例 47才女性
主訴 左乳房腫瘤
現病歴 左乳房腫瘤を自覚したため近医を受診し,精査目的に当院外科紹介となった.
左乳房AC領域の径2.5cm大の腫瘤に対して穿刺吸引細胞診が行われ,乳管癌と診断した.MRでは多発病巣あるいは乳管内進展が疑われ,乳房切除術+腋窩リンパ節郭清 (Bt+Ax) が施行された.
配付標本 手術摘出標本

問題点 病理組織診断
最終病理診断 Primitive neuroectodermal tumor

演者診断
およびコメント
乳腺原発PNET.診断には免疫染色に加えてFISHが極めて有用である.非定型部位,比較的高齢者に発生したPNETの特性について今後検討していく必要がある.
画像1 画像2
摘出標本の割面.腫瘍は褐色調で長径21mm大の境界明瞭な結節性病変. 腫瘍細胞は小型円形,比較的均一で,シート状に増殖している.

画像3 画像4
MIC2免疫染色.腫瘍細胞の細胞膜が陽性. EWSR1 dual color, braek apart probe (Vysis) を用いたFISHではオレンジ-グリーンのプローブが解離しており,EWSのrearrangementが示唆される.