第 64 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
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長岡赤十字病院 医療技術部1),同 病理部2)
薄田 浩幸1),江村 巌2) |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
76才,女性 |
臨床経過 |
左乳腺腫瘤を自覚し,近医より紹介受診.触診にて左C(外上部)領域に径3cm大の腫瘤を認め,マンモグラフィーにてカテゴリー5,同部穿刺吸引細胞診にてClass Vの診断であった.同時に右A(内上部)領域にも陥没乳頭を伴う腫瘤が認められ,マンモグラフィーにてカテゴリー5であったが,同部穿刺吸引細胞診ではClass IIIであった.
左乳腺腫瘤については,乳房切除術(Auchincloss)を施行,術後病理診断は硬癌,pT2N1M0 stage IIBであった.右乳腺腫瘤についても,臨床的に癌を強く疑い乳房切除術(Auchincloss)が施行された.
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切除標本肉眼所見 |
右乳頭部から乳頭直下にかけて4x2cm大の境界不明瞭,(右乳腺腫瘍)白色,弾性硬の腫瘤を認めた. |
配布標本 |
右乳腺切除腫瘍 |
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問題点 |
病理診断 |
最終病理診断 |
Syringomatous adenoma of the nipple |
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演者診断 |
syringomatous adenoma |
コメント |
乳頭部腺腫とは乳管内の上皮増生が乏しい点,syringomaとは浸潤性の点,low-grade adenosquamous carcinomaないしmicrocystic adnexal caricnomaとは発生部位の点で鑑別した. |
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画像1
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画像2
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肉眼像.右乳頭部から乳頭直下にかけて4x2cm大の境界不明瞭,白色,弾性硬の腫瘤を認める. |
弱拡大像.乳頭部から乳頭直下にかけて線維性の間質を有する境界不明瞭な病変を認める. |
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画像3
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画像4
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中拡大像.コンマ状ないし一部管腔形成を示す上皮細胞の増生がある.乳頭部平滑筋束の間に入り込んで増生している. |
強拡大像.扁平上皮化生もみられ,また,間質において線維芽細胞のcellularity増加,核腫大を認めるところもある. |
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