第 64 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
06 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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岩手医科大学中央臨床検査部臨床病理部門
小西 康弘,上杉 憲幸,鈴木 正道,無江 良晴,菅井 有,中村 眞一 |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
58歳 男性 |
主訴 |
頭部腫瘤触知および疼痛 |
既往歴 |
18歳 虫垂炎手術,36歳 胃十二指腸潰瘍,高尿酸血症,56歳 糖尿病 |
家族歴 |
母 糖尿病 |
現病歴 |
平成16年11月頃より頭頂部左側に小豆大の皮膚腫瘤を触知するようになった.腫瘤は徐々に増大し,疼痛も出現するようになったため近医を受診した.生検が施行された結果悪性腫瘍が疑われたため,平成18年10月7日岩手医科大学病院形成外科に紹介され入院となった.10月20日手術施行され,皮下硬結より3 cmの残余をとり切除された. |
肉眼所見 |
頭頂部左側に35×45 mmの表面整で立ち上がりのなだらかな可動性のある弾性硬の隆起性病変を認めた.ホルマリン固定後の割面標本では,腫瘤は白色調で,大きさは径15×28 mmであった.病変は皮下脂肪組織を中心に一部境界不明瞭な結節性病変を呈していた. |
配布標本 |
腫瘍組織 (1枚) |
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問題点 |
病理組織診断 |
最終病理診断 |
Desmoplastic melanoma |
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コメント |
悪性黒色腫の特殊型であるdesmoplastic melanomaの一例を経験した.好発年齢,発生部位,HE染色における組織像は典型的と思われたが,免疫染色におけるmalignant melanoma の一般的なマーカーであるHMB 45やMelan Aが陰性であったため診断に苦慮した症例であった. |
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画像1
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画像2
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ホルマリン固定後の最大割面像 |
HE染色ルーペ像 |
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画像3
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画像4
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HE染色×40(真皮浅層) |
HE染色×100(腫瘍細胞成分に富む部位) |
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