第 64 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
05 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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御供 真吾1),及川 浩樹1),前沢 千早1),
佐藤 孝1),小笠原 聡2),荒井 啓史3),
鈴木 正通4),菅井 有4),増田 友之1)
岩手医科大学病理学第2講座1),同 外科学講座2),
同 脳神経外科学講座3),同 中央臨床検査部臨床病理部門4)
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症例の概要・問題点 |
症例 |
58歳,男性 |
主訴 |
右片側不全麻痺,記憶障害 |
既往歴 |
特記すべきことなし |
現病歴 |
H18年5月頃より車の運転が上手くできなくなり,物忘れもしやすくなった.7月下旬に近医を受診.CT上,左前頭側頭部に骨膜反応を伴う腫瘍を指摘され,精査治療目的に当院脳神経外科紹介となった.臨床的に転移性頭蓋骨腫瘍,原発性頭蓋骨腫瘍,あるいは髄膜腫が考えられたが,確定には至らなかった.腫瘍の圧迫により脳ヘルニアを認めたため,8月初旬に腫瘍摘出術が施行された. |
配布標本 |
頭蓋骨腫瘍の迅速時標本(ホルマリン固定後のパラフィン切片) |
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問題点 |
1. 病理診断 転移性頭蓋骨腫瘍か原発性頭蓋骨腫瘍かあるいは髄膜腫か?
2. 診断確定のために必要な染色は? |
最終病理診断 |
甲状腺低分化癌の頭蓋転移 |
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演者診断 およびコメント |
迅速時標本では腫瘍細胞は胞巣構造を呈し,島状構造を示しているようにもみえ,転移性腫瘍と考えられたが組織型は確定できず,診断に難渋した.免疫染色の結果,thyroglobulin, TTF-1, CK7, CK18が陽性で,甲状腺癌の頭蓋骨転移を強く疑った.原精査したところ,CTにて甲状腺左葉に腫瘤を認め,甲状腺全摘術が施行された。組織的には頭部腫瘤同様の像がみられ,甲状腺の低分化癌と考えられた. |
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