第 64 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
04 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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池田 健1),宮澤 政義2)
函館五稜郭病院 パソロジーセンター1),歯科口腔外科2) |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
40歳代 男性 |
家族歴・既往歴 |
特記すべきことなし |
現病歴 |
平成17年9月9日早朝イカ釣りに行った.捕れたイカを調理した「イカ刺し」を食べていると,突然,口腔内にピリピリした痛みを感じた.舌および口腔粘膜に数ミリ大の白色異物が20個ほど突き刺さっていた(CD,マクロ写真475macro).当日,当院歯科口腔外科にて異物が摘出され,2・3時間で痛みは消失した.治療前にかなりの数の異物を飲み込んでいたが,現在まで無症状で経過している. |
配布標本 |
摘出された異物(CDにて配布,ミクロ写真3475-1・3). |
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問題点 |
診断 |
最終病理診断 |
Oral-stings of sperma bag of the squid |
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演者診断 |
イカ精子嚢刺入症 Oral-stings by sperm bags of the squid |
コメント |
多くの海産動物は雌雄そろって卵と精子を海水中に放出し受精する.一方,イカ類では雄が精莢と呼ばれるカプセルに精子を詰めて雌に渡す.この際,精莢内部のバネが引き金となり精子嚢が発射され雌の体に植え付けられる.このイカの生殖行動と同様のことが患者口腔内で発生したと考えられた.発射機能は冷凍イカでも保持されるため,生食には注意が必要である. |
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