第 63 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース | |||||||||||||||||||||||
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症例の概要・問題点 | |||||||||||||||||||||||
症例 | 89歳 男性 | ||||||||||||||||||||||
主訴 | 排便時の肛門部の疼痛 | ||||||||||||||||||||||
既往歴 | 胃潰瘍(80歳),直腸癌にて低位前方切除術施行(86歳). | ||||||||||||||||||||||
現病歴 | 直腸癌手術施行後1年で,経過観察中であった. 肛門部のポリープ性病変に気づき,自分で摘出しようと試みたところ,肛門部の出血と疼痛が出現した. 経過観察で訪れた病院にて直径約2cmの有茎性ポリープが発見され,切除術施行のため入院となった. |
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入院時現症 | WBC 7.48x103/μl, RBC 3.16x106/μl, Hb 9.6g/dl, TP 6.7g/dl, Alb 3.6g/dl, BS 207mg/dl, AST 21 IU/l, ALT 15 IU/l, LD 183 IU/l, CHE 147 IU/l, ALP 266 IU/l, T-Bil 0.4, Fe 22 μg/dl, CRP 4.1 mg/dl, CRE 0.7 mg/dl, CK 323 IU/l |
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病理組織学的所見 | 経肛門的切除術が施行された. 切除材料は,肉眼上表面平滑で暗褐色,割面の大きさは40x25mm の病変であった. 組織学的に表層には潰瘍形成と出血が見られた. 病変の中心では類円形,紡錘型細胞が増殖し,大型の異型細胞や多核巨細胞も見られた. 核分裂像も比較的多く認められた. |
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問題点組織診断 | 病理組織診断 | ||||||||||||||||||||||
最終病理診断 | Malignant melanoma, highly suspicious. (Pseudosarcomatous carcinoma, Perivascular epithelioid cell tumor (PEComa)などが鑑別診断として考えられた. また,座長より本腫瘍はc-kit(+)なのではないか,GISTはどうかという意見,および肛門領域のmelanomaにc-kit(+)となった症例があるという報告があるというコメントもあり.) |
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