第 63 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 21 区分 B. 教育的症例
部位/臓器
演題名 新生児にみられた膵嚢胞性腫瘍の1例
出題者および所属
矢嶋 信久1,水上 浩哉1,和田 龍一1
須貝 道博2,八木橋 操六1
1) 弘前大学医学部 病理学第1講座 2) 弘前大学医学部附属病院 小児外科
症例の概要・問題点
症例 生後28日,女児
家族歴 特記事項なし
現病歴 在胎34週より,胎児超音波検査により肝門部嚢胞を指摘されていた.
在胎40週5日に自然分娩で出生した.出生時体重は3546gであった.
出生後の超音波検査でも肝門部に嚢胞を認めたため,精査のため入院となった.
身体所見に異常はみられず,末梢血および生化学検査も異常は認められなかった.
また,腫瘍マーカー(CA125, NSE, AFP, 尿VMA, 尿HVA)も正常範囲内であった.
胸部,腹部レントゲン写真では異常所見は認められなかった.
腹部超音波検査では,胃,膵,脾に囲まれた径38mmの円形で嚢胞状の病変がみられ,内部エコーは均一であった.
CT上,病変は腹腔内左側に径5cmの単房性嚢胞性病変として認められ,内部にはfluid-fluid levelの形成がみられた.
嚢胞性奇形腫が疑われ,生後28日に摘出術が行われた.腫瘍は膵前面に認められ,表面は平滑であった.
嚢胞内容は血性で,充実性部分は肉眼的に明らかではなかった.
配布標本 膵腫瘍

問題点 病理組織診断
最終病理診断 嚢胞性膵芽腫(Squamous corpuscule(-), endocrine portionの分化不明瞭)
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