第 63 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題名 |
原因不明の呼吸不全により9ヶ月の経過で亡くなった男児 |
出題者および所属 |
|
新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞病理学分野1
同小児科学分野2
川崎 隆1, 岩渕 晴子1, 2, 今村 勝1, 2
鈴木 俊明2, 池住 洋平2, 長谷川 剛1, 内藤 眞1 |
|
症例の概要・問題点 |
症例 |
1歳1ヶ月,男児.34週,3168g,Apgar 9点で出生.出生時に多血症,低血糖,血小板減少が見られたが
自然軽快し,1ヵ月後に退院した.
生後3ヶ月に痙攣があり,精査で左脳梗塞,左右中大脳動脈の狭窄があり,モヤモヤ病が疑われた.
生後4ヶ月に当院小児科に治療目的で入院した.
脳外科的にはモヤモヤ病は否定的で抗痙攣薬で経過を見ることになった.
入院後から原因不明の呼吸状態不良が出現し,胸部X-Pでは両肺野にスリガラス用陰影が
見られ酸素投与となった.抗痙攣薬またはウイルス感染による間質性肺炎,ARDS,リンパ管拡張症が
疑われた.しかし,KL6とSP-Dは正常,抗CMV抗体陰性で胸部CTでも特異的な所見はなく確定診断には
至らなかった.ステロイド投与により呼吸状態の改善が見られた.
生後9ヵ月に再び痙攣があり,右脳梗塞が見られた.
生後11ヶ月に呼吸管理目的でICUに入室した.呼吸不全は改善せずDICを併発し永眠した.
|
剖検所見 |
身長68cm,体重6.5kg.外表,内臓に奇形は見られなかった.肉眼的に両肺(259, 244g)は硬く
重量が増しており,左葉にはほとんど含気が見られなかった.
心(69g)は,右室の拡張と心室中隔に陳旧性の梗塞巣が見られた.
|
配布組織 |
左肺組織 |
|
|
問題点 |
診断について |
最終病理診断 |
Pulmonary capillary hemangiomatosis |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|