第 54 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 09 区分 [2.教育的な症例]
部位/臓器 女性生殖器   子宮
演題名 右心房に達したintravenous leiomyomatosis
出題者および所属
刑部 光正1,2),加藤哲子1),早坂 直1,2),本山 悌一1)
1) 山形大学医学部第二病理
2)    同   産婦人科
症例の概要・問題点
症 例 47歳女性。3回経妊2回経産。
既往歴 26歳 肝炎
現病歴 従来健康、特に自覚症状等はなかったが、H13年6月に検診で下腹部腫瘤を
指摘され、当院産婦人科を受診した。内診で子宮は成人頭大に増大、CT,MRI検査を行
うと子宮底部に直径15cmをこえる腫瘍が形成されており、そこから連続性に左卵巣静脈、
左腎静脈、下大静脈を経て右心房内まで達していた。また、肺には転移が疑われる微小結
節が認められた。同年10月、単純子宮全摘術・両側付属器摘出術・下大静脈及び右房内
腫瘍摘出術が施行された。
術中所見 子宮底部に分葉状,多結節状に増生する最大径18cm、弾性のある腫瘍が見ら
れ、そこから連続性に左卵巣静脈、左腎静脈、下大静脈を経て右心房内まで達していた。
体外循環下、段階的に摘出したが、血管内,右房内のmassは引っ張るといずれもするり
と抜けた。

問題点 右房に達するまで未発見の報告例は過去にも少なく、術中所見も合わせて供覧致します.
もともとの発生母地はどのように考えたらよいでしょうか?
最終病理診断 Intravenous leiomyomatosis.

配付標本 子宮底部(1)およびIVC内腫瘍(2)の一部