第 63 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース | |||||||||||||||||||||||
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症例の概要・問題点 | |||||||||||||||||||||||
症例 | 57歳,女性. | ||||||||||||||||||||||
病歴 | 1999年から4年間,口蓋が荒れて痛みを生じることを繰り返していたが放置. 2003年7月,口蓋右側部に潰瘍が出現したため,某総合病院口腔外科にて生検. 壊死性唾液腺化生の診断のもとにレーザ焼灼を受け,一時的に改善したが, 症状がふたたび出現したため,2004年7月再度生検. 壊死性唾液腺化生の悪性転化あるいは口蓋悪性腫瘍の疑いで,同年10月, 紹介されて本学口腔外科を受診した. 上顎右側犬歯から第二大臼歯相当部の顎堤から硬口蓋にかけて34 x 25 mm, 発赤をともなう腫瘍性病変がみとめられた.中心部は11 x 6 mmの範囲で潰瘍化していた. CTでは,同部の歯槽突起から上顎洞底部に造影される病変が指摘され,同年12月, 上顎骨右側半側切除術が施行された. |
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肉眼所見 | 切除物は上顎洞底部および鼻腔の一部をふくむ口蓋腫瘍組織で,前額断で9分割したところ, 粘膜下から上顎骨を破壊し,上顎洞底にかけて浸潤性発育をしめす白色病変が認められた. |
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配布標本 | 病変の中央部割面を配布標本とした. | ||||||||||||||||||||||
検討事項 | 病理組織学的診断. | ||||||||||||||||||||||
最終病理診断 | Adenoid cystic carcinoma (Polymorphous low grade adenocarcinomaとの鑑別が問題となった症例) |
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