第 62 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 23 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 皮膚
演題名 無症候性紅色皮疹の一例
出題者および所属
菅 慶子1),佐藤 孝2),増田 友之2)
1) 菅整形外科皮膚科クリニック
2) 岩手医科大学医学部 病理学第2講座
症例の概要・問題点
症例 73歳,男性
主訴 体幹及び上肢の無症候性紅色皮疹
既往歴 特記すべきことなし
現病歴 数ヶ月前より体幹及び上肢に紅色皮疹が出現.無症候性であったた
め放置していた.健康診断の際に保健師より診察を勧められ皮膚科
を受診した.皮膚科受診時,顔面,体幹,上肢に爪甲大までの紅色
小結節,浸潤性紅斑を多数認めた.皮疹以外に理学的異常所見は見
られなかった.皮膚生検標本では,真皮に類円形の核小体の明瞭な
大型の異型細胞がびまん性に浸潤していた.表皮への浸潤は認めら
れなかった.免疫染色では,異型細胞は,CD68, myeloperoxidase
陽性であった.CD3, CD4, CD5, CD8, CD20, CD30, CD45RO, CD56,
CD79aは陰性であった.血液検査では白血球数 6,380/μl
(blast 63%), 赤血球数 415万/μl, 血小板数 7万/μlであった.
血液内科に紹介となり骨髄検査が行われ,有核細胞の90%以上が
blastで占められていた.
配布標本 皮膚生検標本

問題点 皮膚の病理診断
最終病理診断 AML(M1) (化学療法後皮疹消失)