第 54 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 05 区分 [2.教育的な症例]
部位/臓器 気管,肺,胸膜  肺
演題名 過敏性肺臓炎の1例
出題者および所属
吉田健一1,千場良司2,岩間憲行2
1) 東北大学医学部3年生
2) 坂総合病院病理科
症例の概要・問題点
症例 60歳,男性
主訴 労作時呼吸困難
家族歴・既往歴 今回の疾患と関連性のあるものはない
(喫煙歴 20本/日,40年間)
現病歴 9月末より鼻汁,汗,痰があり,労作時呼吸困難・全身倦怠感が加わった.10
月初旬,当院内科受診.間質性肺炎の疑いとされた.また左下葉に5cm大の腫瘤影を
認めた.入院後,症状は軽減した.経過中,発熱はなかった.TBLBで肉芽腫が確認
された.10月下旬.左下葉切除術施行.
胸部レ線 両側肺門中心のスリガラス状陰影.左下肺野に5cm大の腫瘤影
胸部CT 小葉中心性のスリガラス状陰影.左肺S10に5x3cmの腫瘤影
BALF CD4/CD8は正常下限だが,細胞崩壊のため不正確.好酸球は多くない

問題点 過敏性肺臓炎の病理組織学的検査はTBLBでなされることが多いと思われます.した
がって組織像は多かれ少なかれ生検の際の修飾を受けます.今回の症例は,たまたま
肺癌を合併していたため,肺葉切除術が行われました.そのため回復期に入っている
ものの鮮明な組織像が認められましたので供覧致します.発表時間は短くしていただ
いてかまいません.
最終病理診断 Hypersensitivity pneumonitis.

配布標本 切除された左下葉の一部.なお腫瘍はSCCであった