第 61 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 20 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器 腹膜,後腹膜及び関連組織 腹膜
演題名 大網に発生した,腫瘤性病変の一例
出題者および所属
岩手医科大学中央臨床検査部 臨床病理部門
鈴木 正通,焦 宇飛,無江 良晴,山野 三紀,上杉 憲幸,菅井 有,中村 眞一
症例の概要・問題点
症例 61歳,男性
主訴 右側腹部痛
既往歴 高血圧,胃潰瘍,大腸ポリープ
現病歴
平成17年4月上旬頃より,右側腹部痛が出現し,
改善しないため,近医を受診した.腹部の触診
にて,右下腹部に腫瘤を触知した.画像所見で
は,腹部CTで上行結腸の壁外に大きさ10cmの腫
瘤像を認めたが,DDLにて腸管内の病変や穿孔の
所見は認められなかった.検査値にてWBC 1.9万,
CRP 25と強い炎症所見が認められたが,腹部所見
が弱いため,抗生剤による保存的治療を行った.
治療にて炎症所見は改善し,腫瘤も縮小を見たが,
大きさ5cmの病変の残存が確認された.

悪性疾患が否定できないため,受診より13日後,
全身麻酔下に腫瘤と共に大腸部分切除術を施行した.
病変は主に大網内に存在し,一部が横行結腸漿膜下
にまで連続していたが,腸管内に露出する病変は認
められなかった.

問題点 病理組織診断
最終病理診断 Inflammatory pseudotumor of the mesentery