第 61 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
19 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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東北大学病院病理部1),同 第一外科2)
赤平 純一1),森谷 卓也1),
石田 和之1),大石 秀和2),
砂村 真琴2),坂元 和宏1),
渡辺 みか1),笹野 公伸1)
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症例の概要・問題点 |
症例 |
49歳,男性 |
主訴 |
左側腹部痛 |
家族歴 |
特になし |
既往歴 |
アルコール歴なし.ほかに特記事項無し. |
現病歴 |
約3年前より左側腹部痛・前胸部痛を自覚.
複数の施設にて精査されたが診断がつかず,
対症的治療を行っていた.
約1ヶ月前に腹部CT上,主膵管の著明な拡
張を認め慢性膵炎が疑われた.血管造影で
膵周囲の異常血管発達を認め,膵AVMの診
断を得た.
10日前から腹痛が増悪し,腹部CT上主膵管
内への出血と炎症の波及が疑われた.腹部
血管造影上SMA分枝からの出血を認め,コイ
ル栓塞による止血術を施行後に膵十二指腸
切除術がなされた.
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配布標本 |
膵頭部・十二指腸壁 |
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問題点 |
血管病変の診断と膵炎との関係 |
最終病理診断 |
膵AVMおよび慢性膵炎急性増悪 |
コメント |
膵におけるAVMは非常にまれで,これまでに50例程度が報告されているが,そのうちの30例以上は本邦からの報告である.膵AVMの多くは原始血管網遺残による先天奇形と考えられているが,本例のように膵炎を合併した場合に,その血管病変が先天性のものか膵炎による血管新生に伴って出現した後天性のものかについては結論が出ていない.なお,ここ数年で当施設では膵AVMと診断された症例が本症例を含め3例あり,実際にはそれほどまれな病態ではない可能性も考えられる. |
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画像1
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画像2
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慢性膵炎(HEx20) |
膵内血管病変(Elastica-Masson染色)(x20) |
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画像3
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画像4
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膵内血管病変(Elastica-Masson染色)(x100) |
膵内血管病変(Elastica-Masson染色)(x100) |
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