第 61 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
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山形大学医学部発達生体防御学講座 病理病態学分野1),
同 器官病態統御学講座 循環・呼吸・腎臓内科学分野2),
同 器官機能統御学講座 循環器・呼吸器・小児外科学分野3)
岩場 晶子1),前田 邦彦1),
佐田 誠2),柴田 陽光2),
大泉 弘幸3),大竹 浩也1),
斉藤 仁昭1),山川 光徳1)
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症例の概要・問題点 |
症例 |
42歳,男性 |
主訴 |
不整脈 |
既往歴 |
特記すべきことなし.喫煙15本/日 |
現病歴 |
3ヶ月前の検診で不整脈を指摘されたため近医を受診した.
このころより歩行時息切れ,全身倦怠感,胸部不快感,
下肢浮腫がみられ入院となった.
心不全の治療を行ったが症状は改善せず,CTで両側胸水
と前縦隔の径5cmの腫瘤をみとめ,心臓,大動脈起始部,
肺動脈をとり囲むようにひろがっていた.
精査のため当院へ転院となった.
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入院時現症 |
身長178cm,体重69kg,体温37.2℃,血圧102/60mmHg,
脈拍110 不整,SpO2 95%(O22L/分投与),
下肢に浮腫をみとめた.
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検査所見 |
WBC 11600 /μl, Hb 13.8 g/dl, Plt 26.1×104 /μl,
GOT 33 IU/l, GPT 27 IU/l, LDH 242 IU/l, CEA 2.7 ng/ml,
CYFRA 1.3 ng/ml, AFP 2.1 ng/ml, NSE 8.4 ng/ml,
心電図は心房頻拍を示し,心エコーではEF 46%, 右心不全をみとめ,
また右心房への腫瘍浸潤が疑われた.胸水は黄色混濁,細胞診,
培養とも陰性であった.診断確定のため縦隔腫瘍生検を行った.
腫瘍は硬く,瘢痕様であった.
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配布標本 |
縦隔腫瘍(生検) |
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問題点 |
病理診断 |
最終病理診断 |
Leiomyosarcoma: mediastinum. |
演者診断 |
Leiomyosarcoma
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コメント |
紡錘形細胞が束状または花むしろ状配列を示す腫瘍(図1).細胞質は好酸性で核の不整がめだち(図2),核分裂像をみる.免疫染色でvimentin,α-SMA(図3), caldesmon (図4) が陽性であり,cytokeratin, desmin, S-100蛋白, CD34, calretininは陰性.腫瘍は縦隔あるいは心膜から発生したと考えられた. |
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