第 61 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 04 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器 女性生殖器 外陰
演題名 外陰部腫瘍の一例
出題者および所属
鶴岡市立荘内病院病理科1),同 形成外科2)
内ヶ崎 新也1),深瀬 真之1),網倉 良安2)
症例の概要・問題点
症例 56歳,女性,5妊3産,50歳閉経
主訴 外陰部腫瘤の増大
既往歴 およそ20年前に外陰部腫瘍の手術歴あり(詳細不明),難聴(現在加療中)
家族歴 特記事項なし
現病歴
2003年11月検診目的で近医受診,会陰部に小指頭大の硬結を指摘
され経過観察となる.2004年9月人間ドックで再度同部位に腫瘤を
指摘され,前年よりも増大し拇指頭大になっているため当院へ精
査治療目的で転院.10月に生検,11月に腫瘍摘出術施行.
肉眼所見
皮膚を含む5.5x4.5x3.2cm大の外陰部腫瘍.
表面の一部は潰瘍化傾向がある.
割面では3.5x2.5cmのやや境界不鮮明な
灰白色の腫瘤で嚢胞形成が目立つ.
配布標本 摘出外陰部腫瘍の一部

問題点 病理診断
最終病理診断 Mesonephric hyperplasia or apocrine tubular adenoma: vulva.
演者診断 Apocrine tubular adenoma: vulva.
コメント 増殖する腺管の中にアポクリン分泌を示す腺上皮に覆われ、免疫組織化学的にCD10陰性,calretinin陰性で,CA125陽性となる所がありアポクリン腺由来が支持され上記診断とした。鑑別診断にはmesonephric hyperplasia(CD10陽性)及びadenomatoid tumor(calretinin陽性)がある.
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アポクリン分泌 CA125