第 61 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
03 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子細胞病理学分野1),
同病理形態学分野2), 国立病院機構 西新潟中央病院呼吸器科3)
川崎 隆1),大橋 瑠子1),
長谷川 剛2),斎藤 泰晴3),内藤 眞
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症例の概要・問題点 |
症例 |
56歳,女性,飲食店経営 |
主訴 |
咳嗽,喀痰,息切れ |
既往歴 |
30年前に結核で6ヶ月入院 |
家族歴 |
両親いとこ婚 |
生活歴 |
ペット(猫)歴10年 |
現病歴 |
入院15年前頃より咳嗽と喀痰を自覚した.4年前に少量
の喀血で病院受診.陳旧性肺結核と気管支拡張症の診断
で外来経過観察となった.2ヶ月前頃より咳嗽,息切れが
増悪(Hugh-Jones ?度)した.胸部X線写真で両肺の陰影
が増強し入院した.
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入院時身体所見 |
身長 154.9 cm, 体重 57.5 kg, 血圧 120/80 mmHg, 脈拍 62 /分 整.
全身の皮膚と毛髪の色素は薄く,虹彩はやや青色調.弱視で眼振が見
られた.左下肺野にわずかにfine crackleを聴取した.
その他に特異的な身体所見はなかった.
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入院時検査所見 |
RBC 512x104, WBC 9690 (Seg 79.2, Ly 13.5, Ba 0.2, Eo 2.O, Mo 5.1),
Hb 16.1 g/dl,Ht 48.6%, Plt 19.1x104, 出血時間 4分, PT 11.1秒,
APTT 29.2秒, 血小板凝集能正常, ESR 14 mm/h;呼吸機能:VC(%) 1.71 L (68.4%),
FEV1.0(%)1.55 L (86.6%);血液ガス検査:PH 7.377, PaO2 74.3 Torr,
PaCO2 41.2 Torr, HCO3 23.6 mmol/L
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配布組織 |
開胸生検された右肺病変 |
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問題点 |
組織像をどう考えるか |
最終病理診断 |
Interstitial pneumonia due to Hermansky-Pudlak syndrome: lung. |
コメント |
Hermansky-Pudlak 症候群 (HPS) に伴う間質性肺炎と考えられた.一部に過敏性肺臓炎(HP)に伴う組織像が疑われ,職場での落下真菌培養でトリコスポロンが検出され,HPの合併の可能性が考えられた.症状の改善を期待してステロイドの投与が行われた. |
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画像1
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画像2
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図1,2 |
図3,4 |
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