第 61 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
01 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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岩手医科大学医学部病理学第2講座1),岩手県立中央病院病理診断センター2)
増田 士郎1),佐藤 孝1),佐熊 勉2),増田 友之1) |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
38歳,女性 |
主訴 |
右大腿部腫瘤 |
既往歴 |
特記すべきことなし |
現病歴 |
平成14年9月,右大腿部の無痛性の腫瘤に気付き近医受診.
精査,加療の目的で当院整形外科を紹介された.画像上,
内転筋内に20×15×10cmの境界明瞭な腫瘤が認められ
desmoid, MFHなどが鑑別診断に挙げられた.生検の後,
平成15年4月腫瘤摘出術が行われた.摘出された腫瘤は
最大割面が11.5×9cm,割面は白色,充実性で周囲筋組
織との境界は明瞭であった.
Extraabdominal desmoidと診断した.外来で経過観察し
ていたが,局所再発は認められなかった.平成16年8月,
健康診断の胸部X線写真で両肺の多発性病変を指摘され,
診断確定のため12月右肺部分切除が行われた.現在化学
療法を行っているが,肺病変の進行はみられず,局所再
発および他部位に新たな病変の出現もみられていない.
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配布標本 |
右大腿腫瘤(H.15.4採取,03-01829-8)および肺(H.16.12採取,6637) |
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問題点 |
右大腿腫瘤,肺病変の病理診断 |
最終病理診断 |
Sclerosing type fibrosarcoma (WHO): rt. thigh and lung.
Sclerosing epithelioid fibrosarcoma
右大腿腫瘤は extraabdominal desmoid と当初診断したが,
肺の病変は大腿腫瘤の転移と考えられることからは,desmoid
ではなく,fibrosarcoma とすべきであった.その後検討を行い,
大腿腫瘤には epithelioid の pattern も認めたことからは,
sclerosing epithelioid fibrosarcomaと最終診断した.
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画像1
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画像2
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大腿MRI T1WI |
大腿摘出標本(HE) |
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画像3
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画像4
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胸部CT |
肺部分摘出標本(HE) |
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