第 55 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 13 区分 A(難解・問題例)
部位/臓器 神経系,下垂体,松果体,中枢神経系
演題名 小児脳腫瘍の1例
出題者および所属
星 暢夫1)、遠藤 雄司2)、児玉 南海雄2)、鈴木 利光1)
1) 福島医大・医・第2病理、2) 福島医大・医・脳神経外科
症例の概要・問題点
症例 8才、女児
家族歴 特記すべきこと無し。
既往歴 特記すべきこと無し。
現病歴 平成13年12月頃より右上下肢のけいれん発作が出現するようになり、
2月に近医を受診。その際のCT、MRl検査にて左前頭葉に3cm大の
massを認めた。その後福島医大脳神経外科に転院となり、脳腫瘍の
診断のもと3月11日に腫瘍摘出術が施行された。
手術所見 腫瘍はmotor cortexの直下に存在した。
石灰化を伴う硬い腫瘍であり、辺縁部には易出血性の柔らかい腫瘍成分が存在した。
腫瘍と側脳室との連続性はなかった。

問題点 病理組織診断
最終病理診断 Anaplastic ependymoma.

配布標本 腫瘍組織(1:辺緑部の柔らかい部分、2:中心部の硬い部分)
画像1 画像2
類円形核を有する腫瘍細胞がperivascular pseudorosette様の構造、ないし乳頭状構造をなして増生している。 腫瘍内にはoligodendroglioma様の淡明な胞体の腫瘍細胞が増殖する部位がある。

画像3
腫瘍の辺縁部には異型細胞が密に存在し、かつ小血管の増生を伴う部位が存在する。mitosisも多数見られる。