第 59 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 21 区分 B. 典型的・教育的・その他の症例
部位/臓器 18 造血器 骨髄
演題名 多発性神経炎と単クローン性γグロブリン血症を認めた一剖検例
出題者および所属
安藤 嘉章1)、斉藤 仁昭1)、荒井 茂2)、
鈴木 義広3)、前田 邦彦1)、山川 光徳1)
1) 山形大学医学部 病理病態学分野 2) 山形県立日本海病院 病理部
3) 山形県立日本海病院 神経内科
症例の概要・問題点
症例 49歳、女性
主訴 右半身の違和感
既往歴 32歳 腰椎椎間板ヘルニア、48歳 甲状腺機能低下症
現病歴
2001年8月より右半身の違和感と下肢の浮腫が出現し、徐々に
両手指のしびれも出現した。2002年1月にH病院神経内科を受診した。
初診時に両下肢の浮腫、頚部の色素沈着、多毛を認めた。
神経学的には両側下垂足、両手指筋カ低下、四肢腱反射消失、
両膝以下の知覚低下を認めた。
血液検査
血清M蛋白陽性(IgG-λ型)、Bence-Jones蛋白陰性、抗核抗体陰性、
血清vascular endothelial factor 1,890pg/ml(基準値38.3pg/ml)。
髄液検査 細胞数 9/3、蛋白 111.5mg/dlで蛋白細胞解離を認めた。
経過
血漿交換療法により筋力低下や知覚異常の軽度改善を認め、
ステロイド及びメルファラン併用療法にて経過観察となった。
その後、脱力及び浮腫の増強を認め、入退院を繰り返していた。
2003年6月に同様の症状で入院しステロイドパルス療法及び
血漿交換療法を施行されたが症状が軽快せず、浮腫及び
腹水貯留の増強を認め、9月に永眠され病理解剖が施行された。
剖検時肉眼所見
全身の浮腫及び腹部膨満あり。
軽度の肝腫大(重量1,540g)及び一部膿状の多量の腹水貯留(4,000ml)を認めた。
配布標本 入院時骨髄塗沫標本の4画像(A4判印刷)

問題点 病理組織学的診断について
最終病理診断 Takatsuki's disease