第 59 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
演題番号 19 区分 A. 難解・問題症例
部位/臓器 21 腹膜,後腹膜及び関連組織 後腹膜
演題名 後腹膜腫瘍の一例
出題者および所属
高窪 祐弥1,斉藤 仁昭1,瀬戸口 誠2, 
北嶋 将之2,前田 邦彦1,山川 光徳1
1山形大学医学部発達生体防御学講座 病理病態学分野
2三友堂病院 泌尿器科
症例の概要・問題点
症例 58才,男性
既往歴 アルコール性肝障害,高血圧症。
現病歴
アルコール性肝障害及び高血圧症について
地方A病院内科にて経過観察されていた。
平成14年7月頃より、左側腹部痛を自覚し、
腹部CTにて右後腹膜腫瘍を指摘された。
同院泌尿器科にて精査され、2ヶ月後に
腹腔鏡下腫瘍摘出術を施行された。
画像検査
CTにて、後腹膜腔の下大静脈と右腎門および右腸腰筋の間に、
筋組織よりlow densityの約7.0x5.5cmの腫瘍を認めた。
腫瘍内部に点状の石灰化を伴っていた。
MRIで、腫瘍はT1-WI lowで一部high intensityを示し、
T2-WI high intensityで、CE(+)であった。
入院時血液検査
WBC 4,550/ul, RBC 421x104/ul, Hb 14.2g/dl, 
AST 39IU/l,ALT 18IU/l, γ-GTP 148IU/l, 
ALP 141IU/l, T.bil 10mg/dl,T.P. 7.0g/dl,BUN 8.3mg/dl,
Crea 0.9mg/dl, Na 141mEq/dl,K 4.1mEq/dl,
Cl 10mEq/dl, PSA 0.9mg/ml
手術時および肉眼所見
腫瘍は右腎臓と右腸腰筋の間に位置し、それぞれに接していた。
腸腰筋との癒着が強く、intralesional excisionとなり
一部腫瘍は残存して摘出された。切除後の腫瘍の大きさは、
約10.0x3.0cmで、割面は充実性、黄色調を呈する肉眼所見であった。
配布標本 腫瘍中央部

問題点 病理診断
最終病理診断 Intramuscular hemangioma, complex type (Dr. Fletcher's diagnosis).