第 59 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
07 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
|
渡辺 みか1、石田 和之1、鈴木 貴2、
遠藤 希之1、坂元 和宏1、笠島 敦子1、
矢吹 孝法3、亀田 智統3、伊勢 秀雄3、
森谷 卓也1、笹野 公伸1,2
1東北大学病院病理部、
2東北大学医学系研究科病理診断学分野、
3石巻市立病院
|
|
症例の概要・問題点 |
症例 |
76歳、女性 |
既往歴 |
70歳頃より不整脈 |
家族歴 |
特記すべきことなし |
現病歴および経過 |
2ヶ月前に転倒、意識消失し、救急車にて搬送された際、著しい貧血を指摘。
その際腹壁直下に巨大な腫瘍が認められ精査目的にて入院となった。
腹部CTでは胃前庭部を主座として全周性の不整な壁肥厚が認められ、
胃大弯には巨大な腫瘤を認めた。
胃小弯側および大弯側には累々とリンパ節腫脹を認めた。
肝・肺への転移は認められなかった。上部内視鏡では胃体下部・前庭部の大弯中心に
ほぼ半周を占める潰瘍形成性の腫瘍を認め、生検にて低分化型腺癌と診断された。
進行胃癌の診断にて胃全摘術と横行結腸部分切除術が試行された。
術後一時退院するも、急激に腹水が貯留し、術後2ヶ月で死亡された。
|
手術所見 |
食道胃接合部直下より幽門輪近くまで胃全体に広がる腫瘍を認めた。
腫瘍は漿膜面に露出しており、大弯には径20cm大の巨大な腫瘍が認められ、
一部横行結腸、横行結腸間膜、腹壁にも浸潤していた。
腹水を認めたが播種結節は見られなかった。
|
肉眼所見 |
巨大な腫瘍は白色充実性を呈し、壊死を伴い脆い様相を呈していた。
巨大腫瘍の主体は胃の壁外性のものであったが、
腫瘍は胃壁内にも存在し、胃粘膜面に潰瘍形成性に露出していた。
その近傍では粘膜面に顆粒状の変化が見られた。
|
配布標本 |
手術摘出検体における腫瘍組織
|
|
|
問題点 |
急激な経過をたどった胃癌症例について、予後不良とされる組織型について
|
最終病理診断 |
Adenocarcinoma with rhabdoid feature
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|