第 60 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
演題番号 |
15 |
区分 |
B. 典型的・教育的・その他の症例 |
出題者および所属 |
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本間 慶一1)、太田 玉紀1)、根本 啓一1)、
大倉 隆弘2)、長谷川 聡2)
1) 新潟がんセンター病理部
2) 同 耳鼻咽喉科 |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
48歳、男性 |
経 過 |
2ヶ月前喀血を主訴に他院受診し、
甲状腺左葉に腫瘤を指摘された。
1ヶ月前精査のため当院内科受診。
echoでは甲状腺左葉下極に内部不均一な腫瘍が認められた。
穿刺吸引細胞診で悪性と判断されたため、
耳鼻咽喉科にて甲状腺左半切除が施行された。
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手術所見 |
甲状腺左葉下極に径4cm大の境界明瞭な弾性硬の腫瘤がみられた。
軽度癒着はあるものの周囲組織への浸潤はみられなかった。
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配布標本 |
甲状腺左葉下極腫瘍 |
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問題点 |
病理診断 |
最終病理診断 |
演者診断:Carcinoma showing thymus-like differentiation (CASTLE)
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演者コメント |
CASTLEは甲状腺内発生の異所性胸腺腫瘍で,intrathyroidal epithelial thymomaとも呼ばれるが,多くは本例のように組織学的にも免疫組織化学的にもthymic carcinomaで矛盾がない.甲状腺腫瘤として発見されるため,臨床的には扁平上皮癌や未分化癌といった原発性甲状腺癌との鑑別が問題となる.これまでにneuroendocrine natureを示したCASTLEの報告はない.
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画像の説明 |
1:地図状に配列して増殖する腫瘍細胞.背景にはリンパ球浸潤がみられる.(x4)
2:腫瘍細胞は類円核と明瞭な核小体を有し,胞体は淡好酸性微細顆粒状,胞体境界は不明瞭である.核分裂像が散見される.(x20)
3:腫瘍細胞には一部で扁平上皮化生があり,Hassall小体様の構造を認める.(x40)
4:腫瘍細胞はCD5, bcl-2, c-kitに陽性である.(x10)
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