第 58 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
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岩手医科大学病理学第二講座
武田 勝,及川 浩樹,佐藤 孝,増田 友之 |
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症例の概要・問題点 |
症例 |
48才,女性. |
既往歴 |
特記すべき事項なし. |
臨床経過 |
2003年8月頃右鼠径部の無痛性の腫瘤に気付いた.徐々に増大したため県立病
院を受診した.腫瘤は弾性軟で,可動性は良好であった.右鼠径部ヘルニアの
臨床診断にて2003年10月24目摘出術を施行した.腫瘤は大きさ約4cm大で,比
較的境界明瞭であり,割面は充実性であった.術後CT, MRIにて全身検索を行
ったところ,後腹膜に径20cmの胃と膵を圧排する腫瘤を認めた.また,胸椎,
腰椎,仙骨,腸骨,肋骨に多発性の転移性病変も確認された.
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配布標本 |
右鼠径部腫瘤 |
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問題点 |
組織診断
2005/04/30 追加考察
本症例では組織学的に腫瘍は充実性部分と粘液性部分からなり,異型の強い線維芽細胞様の腫瘍細胞の増生が観察された.血管増生も目立ち,血管周囲に腫瘍細胞の集簇も認められた.免疫組織化学ではvimentin, HHF-35が陽性所見を示した.組織像からは,悪性のfibroblastic tumor,特にmyxofibrosarcoma相応の像と診断したが,血管系の腫瘍との鑑別が問題となった.また,術後確認された,他の部位の病変との関連性についても,さらに検討が必要と考えている. |
最終病理診断 |
Myxofibrosarcoma (compatible) |
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