第 58 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP −TN) 抄録データベース
教育講演 2
演題名 「再生医療と病理学」
出題者および所属
国立成育医療センター研究所 梅澤明弘
症例の概要・問題点
 再生医療における治療材料(細胞)供給システムとして幹細胞の分離、細胞の分化誘導、細胞の寿命延長技術、さらに細胞移植材料の開発、細胞の規格設定、医品GMP基準に準ずる施設立ち上げが、日本国内の病院で精力的に進められている。しかしながら再生医療の決定的な問題点のひとつは、細胞移植を中心とした再生医療の評価法が存在していないことである。動物実験から人への臨床に向かうのは,そう遠くない将来でしょうし,一部始まっている.患者さんを初めとした社会的要求の高まりは理解しているが,再生医療・細胞移植を確固たるものとするうえでも,そこに関わる病理形態学的な基盤を明確にしなくてはならない.社会的認知をうけ,必要な手続きに関係するステップをひとつひとつ踏むことで,祝福される形で「幹細胞」を世に送り出すためにも、生検、剖検による病理組織学的評価ならびに検証システムの確立が、必要とされる.