第 57 回 日本病理学会東北支部学術集会(JSP
−TN) 抄録データベース |
出題者および所属 |
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長沼 廣1)、渋谷里絵2)
1) 仙台市立病院病理科、2) 東北大学大学院医学系研究科病理診断学
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症例の概要・問題点 |
症例 |
44歳 女性
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主訴 |
前頚部腫瘤
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既往歴 |
22年前に甲状腺右葉結節にて結節核出術施行
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家族歴 |
特記すぺきことなし
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現病歴 |
本年2月ころ前頚部腫瘤に気づき、近医受診。甲状腺腫瘤を指摘され、当院外科紹介。
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現症 |
甲状腺左葉に3x1.5cm程度の結節が触知され、吸引細胞診に悪性の疑いがもたれため、
左葉切除術が施行された。サイログロブリンが120ng/ml(0-40)と高値を示した以外は
検査成績は正常であった。
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肉眼所見 |
摘出された甲状腺には境界明瞭な腫瘤が見られ、肉眼的には腺腫が疑われた。
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組織所見 |
結節は薄い線維性被膜を有し、類円形の核を持つ濾胞細胞の充実性あるいは濾胞性増殖
からなり、一部に腺扁平上皮癌の像を認めた。
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問題点 |
1) 甲状腺腫瘤の組織診断について
2) 組織発生について
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最終病理診断 |
Papillary carcinoma, follicular variant, with adenosquamous cell carcinoma
* follicular carcinomaとの鑑別→核の重積パターンからpapilary ca.と考える。
* ciliaを持った腺は→良性、陰性と考える。
* C cell hyperplasia様であったが、カルシトニンは→陰性核の重積が切れ方で
parafollicularに見えているのではないか
* 悪性度は?→低分化型相当であろう。
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